即刻社会問題
「催眠」……
最近は、なぜかfanzaで規制が入ったり、逆風が吹くこのジャンルであるが、イラストやCG集や同人誌では定番と言っていいジャンルなのではなかろうか。
催眠術の歴史は古く、日本でも明治から大正にかけて流行し、風俗を乱す恐れを感じた当局が「みだりに催眠術をかけること」を禁止したという。
今回はそんな催眠術の歴史に迫る……のではなく、そのような催眠を簡単にかけることのできるアプリが開発されたならどのように社会が変革するか考えてみたい。
催眠アプリについてイメージしづらい人に説明すると、催眠アプリで何らかの設定をして画面を見せるor音を聞かせるなどすると相手の行動をコントロールできるというものである。
ありがちなこと
1、「使用は犯罪だが、開発は犯罪ではない」みたいなグレーゾーン生まれがち
催眠アプリを利用して、相手に性的な行為を強制することは現行法制下でも、準強制性交等罪や準強制わいせつ罪で処罰可能であろうし、また相手の同意がない状態で催眠術を施す事自体、(学説が分かれるが)暴行罪に問うことが可能である。
しかし、そのようなアプリの開発自体が直ちに違法とはいいがたい気がする。アプリの注意書きに、「本アプリはジョークアプリです。強制的な催眠行為は犯罪ですので、相手の同意をとりましょう」などと書いておけばアプリ自体の違法性は問いにくい気がする。
すぐ問題になって催眠アプリ禁止法案が国会を通過すると思うが。
2、appストアやPlayストアから一瞬で消えがち
いかに違法性がないとはいえ、AppleやGoogleが黙ってないので、問題が表面化した時点でアプリの配信を停止するだろう。しかし、対応の遅さなどを世界から非難されて、朝の番組で「プラットフォーマーの責任」などを議論される。もちろんこの件で、AppleやGoogleはEUから課徴金を要求される。
ストアでの入手が困難になった後は、怪しいウェブサイトでapkファイルの形で配信されるが、流行に乗じてウィルス付きのが出回る。
3、「催眠アプリから身を守る方法」が夕方のワイドショーで組まれがち
芸人が実験台になって、催眠にかかる実演をする。最終的に、「催眠アプリ問題に詳しい 東京〇〇大学教授」みたいな人が対策を話して終わる。
対策としては、「知らない人のスマホの画面を凝視しない」など微妙な方法とられがち。
4、催眠アプリに対抗するテクノロジーも生まれがち
催眠アプリが社会に拡散してしまったら、対策用の製品も出てくるはずである。たとえば、催眠音波を感知すると大音量のブザーを鳴らして催眠を妨害する装置や、コンタクトレンズやメガネに仕込んで催眠アプリの画面に対して視界をシャットアウトする装置などが考えられる。
おそらくは催眠アプリ側もそれに対抗して進化していくはずである。(例えば、催眠時の画面を通常画面のように偽装するなど)こういった犯罪の世界は常にいたちごっこである。
5、Twitterでしょうもない対立生まれがち
「催眠アプリはオタクが生み出した文化で云々」みたいなツイートが炎上する。
オタクは空想の中で済ませてるから大丈夫的な論も目立つが、普通に催眠アプリ使用で捕まるオタクも出てくる。結局のところ、このような対立に特に意味などない。オタクかどうかにかかわらず、使うやつは使うし使わない奴は使わない。
6、トランプみたいな政治家、失言を催眠アプリのせいにしがち
失言を責められると、「対抗陣営から催眠を受けた」などと言い訳する政治家が出てくる。99%は嘘だが、ごくまれに本当に催眠で重要な地位にある人に失言をさせて失脚させようとする事件などが発覚して、新聞の一面を飾る。
7、学校教育の場でも催眠に関する注意喚起が行われがち
テクノロジーの進化で、大人は自衛が可能になるかもしれないが、子どもは常に狙われることになるだろうから、学校で催眠に関する注意が行われる。「いかのおすし」も「いかのおすしさ」になる。「さ」は「さいみんにはきをつけよう」である。
8、催眠を利用した犯罪、結局状況証拠が残るのでほぼ不可能がち
催眠を利用して、誘拐するにしても強要するにしてもよく考えればわかることだが、証拠を残さずに実行することは不可能に近い。街中には監視カメラがあるし、催眠状態中の記憶がなくなるのであれば被害者が疑いを持つことは不可避である。
催眠アプリの存在が知れ渡っていないうちは不審がられないだろうが、知れ渡ってしまえばなかなか犯罪行為を行うのは難しくなるだろう。警察だって催眠の存在を前提に捜査するだろうし。
いかがだったでしょうか。これで催眠アプリが開発されても安心です。