楽しさ1割、苦しさ9割
突然ですが、みなさん危険物取扱者という資格をご存じですか?
こんな資格です↓
「一定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う化学工場、ガソリンスタンド、石油貯蔵タンク、タンクローリー等の施設には、危険物を取り扱うために必ず危険物取扱者を置かなければいけません」
とはいえ世間のイメージはやはりガソリンスタンドかもしれません。実際、受験者数を見てもガソリンや軽油・灯油などの第4類危険物(可燃性液体)のみを扱うことのできる乙種第4類(いわゆる乙4)の受験者数が最も多いです。
ちなみに、甲種は消防法の規制がある危険物のすべてを扱うことができます。そのため受験資格も厳格で、乙種・丙種は誰でも受験できますが、甲種の場合は、「化学系の大学等の学部学科を卒業、大学などで化学系の科目の単位を15単位以上取得、乙種4種類以上取得」などのいずれかの条件を満たす必要があります。僕は化学系の単位をそれなりに取得していたのでそれを使って受験することにしました。
医学部を卒業したら医師国家資格の受験資格を得られるように、このような学部・学科で制限のある資格にロマンを感じたので受験することにしました。就職先で取得を要求される場合も多いと聞くので先にとっておいて損はないという考えもあります。
京都市の受験日は6月6日です。勉強は先月から徐々に開始し、今月に入って本格化しました。危険物取扱者試験の科目は3つですべて60%以上の正答が必要です。3つの科目の内容は以下です。
・危険物に関する法令
・物理学及び化学
・危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
今回はそれぞれの科目について所感を書こうと思います。
1、危険物に関する法令
正直一番しんどいと思う。製造所等の設置や点検の流れ、構造の基準などをひたすらに暗記する。そこに理屈があるというよりかは受け入れるしかないので理系には辛いところだと思う。
特にきつい暗記要素は指定数量である。危険物はその性質や危険性に応じて、指定数量というものが決まっていてそれ以上貯蔵・取扱をすると消防法の規制対象になるのだが、その数量を暗記させられる。(硫黄は100kg、黄りんは20kg、ガソリンは200Lなど)この暗記量が膨大である。
2、物理学及び化学
化学系なら大丈夫だよね……という問題が並ぶ。要するに高校化学である。化学のセンター試験の知識の選択問題が並ぶ感じと言い換えてもよさそう。例えば次のような問題が出る。
問題
次の金属の組み合わせのうち、イオン化傾向の大きな順に並べたものはどれか。
1. Al > K > Li
2. Pb > Zn > Pt
3. Fe > Sn > Ag
4. Cu > Ni > Au
5. Mg > Na > Ca
もちろん正解は3である。「貸そうかな まああてにすんな ひどすぎる借金」などの語呂合わせが有名なイオン化傾向の大小に関する問題である。
ここは満点目指すぐらいでいかなければと思う。
3、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
暗記ものではあるのだが、化学を勉強している人間なら楽かもしれない。各危険物の性質と消火方法の知識を記憶する。
例えば、アルカリ金属の火災消火で注水が厳禁といったことはある程度化学を学んだ人間なら改めて言われなくてもわかるだろうし、アルキルリチウムといった物質も詳しい性質は知らずとも物質としてはなじみがあって、激しい反応をしそうという印象を抱くことはできると思う。(t-BuLiとかn-BuLiとかは有機化学の教科書で出る)
「危険物に関する法令」と違って暗記の中でも理屈をつけられるのでまだ楽だと思った。
頑張ります!!!!!!!